ゴルフスタジアム問題、信販会社は争う姿勢を示す(東京商工リサーチ)

 「被害者の会」の一部18名から東京地裁に破産を申し立てられた(株)ゴルフスタジアム(TSR企業コード:296139424、東京都豊島区、登記上:東京都港区、2017年7月破産開始決定、以下、ゴルフ社)。
異例の展開が続くゴルフ社だが、レッスンプロら「被害者の会」の232名が大手信販会社を相手取り、債務不存在確認請求を求めた第二次提訴の口頭弁論が10月20日、東京地裁で開かれた。

 今回の第二次集団提訴は今年2月、ゴルフ社が1000名を超えるレッスンプロらに広告料の支払いが滞り、広告料と相殺して実質無料だったゴルフスイング解析ソフトの支払いを巡り信販会社へ集団提訴した一部。    
 さくら共同法律事務所(東京都港区)の西村國彦弁護士らを中心に、「ゴルフスタジアム被害者を守る会」(以下、被害者の会)が組織された。問題となったゴルフ社の取引に巻き込まれたレッスンプロらが被害者の会に参加している。
 信販会社7社に対する第三次までの集団提訴は796契約、614名に及び(2017年10月20日時点)、今回の裁判が最大の規模となる。

 20日の口頭弁論は東京地裁510号法廷で開かれ、午前10時の開廷前には原告約50名が傍聴に訪れ、満員となった。
 冒頭、原告のゴルフプロが時おり声を詰まらせながら意見陳述を行った。
「ゴルフスタジアムの担当者から無料でホームページを作成し、管理してもらえると聞いていた。多額の債務を負うことになるなんて予想もしていなかった。確かにモーションアナライザーというソフト購入契約を大手信販会社と締結したが、単にホームページを無料で作成するにあたり税理上、あくまで形式的および管理に関する契約そのものと認識していた」と静かに語った。

 大手信販会社の審査については、「逼迫した(資金)状態だったのでクレジット契約の審査が通るはずはないと思っていたが、大手信販会社から約1~2分の電話で審査が通過した」と述べ、最後に「クレジット被害が存在することを警告するため社会的意義があると思う」と意見陳述に立った理由を語った。

◇信義則上制限されるべきと主張
 続いて原告弁護団の西村弁護士が意見陳述を行った。冒頭、「ゴルフスタジアムの営業がすべてを取り仕切り、信販会社は一切被害者に面談せず、ゴルフスタジアムの虚偽発言にまみれた営業トークを野放しにした結果が、被害者1000名・被害総額40億円を超える社会問題を引き起こした。ゴルフスタジアムの違法営業に信販会社が加担したと言わざるを得ない」と述べた。
 その一方で、被告の信販会社が裁判中は同案件の支払いが滞ってもブラックリストに掲載しない柔軟な対応方針を示したことに、「感謝申し上げる」とお礼を述べる場面もあった。

 法律構成については「被害者は形式的に事業者であることから、割賦販売法35条の3の60第1項1号(注:営業用の商品購入契約の場合には、適用除外になる)の要件に該当するとの反論が予想されるが、実情に照らして判断が妥当でないこと。当弁護団が受任しているだけで延べ455件あり、その中には正当な審査を行っていれば明らかに通るはずのない契約も多数含まれている」と指摘。
 また、「ゴルフスタジアムとの共謀ないし違法行為への加担があったと見込まれ、信販契約に基づく被害者らへの請求は信義則上制限されるべき」と主張した。
 被告側の信販会社は意見陳述を希望しなかったが、反訴など争う姿勢を示した。裁判所の今後の手続きなどの調整を経て、午前10時40分頃に終了した。
 次回公判は、来年1月19日午前10時に開催される予定。

 破産したゴルフ社とレッスンプロは、ホームページ作成と広告料の支払いについての契約で、レッスンプロは信販会社とスイングソフトの契約、信販会社はゴルフ社にスイングソフトの販売代金を支払う契約、という三角関係の契約が問題を複雑にしている。
 ゴルフ社が巻き込んだレッスンプロと信販会社の裁判は、これから本番を迎えることになる。

 (東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2017年10月30日号掲載予定「取材の周辺」を再編集)

東京商工リサーチ

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物流業務を手掛けるエルエスエムなど2社、自己破産申請へ(帝国データバンク)

 エルエスエム(株)(TDB企業コード:581715555、資本金4000万円、大阪市中央区安土町2-3-13 大阪国際ビルディング20階、登記面本店=沖縄県那覇市小禄1831-1、代表松田充泰氏、従業員約50名)と関係会社のLSMインターナショナル(株) (TDB企業コード:744008771、資本金2000万円、沖縄県那覇市小禄1831-1、同代表)は、10月27日に事業を停止し、事後処理を久保以明弁護士(沖縄県那覇市牧志2-16-46、琉球法律事務所、電話098-862-8619)ほか2名に一任し、自己破産申請の準備に入った。近日中に那覇地裁に申請する予定。

 エルエスエム(株)は、1988年(昭和63年)10月に北河内急達運輸(株)の運送部門の一部を分離独立して設立。商品のピッキングや梱包など物流業務ほか、配送、物流システムの構築などを手掛け、主に物流業者・流通業者・メーカーの物流部門を対象に物流請負を行っていた。商品のピッキング・梱包・発送・在庫および倉庫管理を手掛けて、大手アパレル業者、コンビニエンスストア、雑貨小売業者などに営業基盤を確立。物流ソフトウエアの受託開発や倉庫管理システムなども取り扱っていた。大手コーヒーチェーン関連の受注が好調だった2016年9月期には年収入高約40億100万円を計上していた。

 積極的な営業体制により業容拡大を図るとともに、グループ会社との連携強化に努めて拡大路線を続けていたが、運転資金の増加を借入金で賄っていたことで金融債務は増加傾向にあった。また、外注費増加や人件費高騰に伴い収益面は苦戦を強いられるなか、2017年9月期に入って一部で当社および関係会社の決算書において簿外債務などの疑義が生じる事態が発生。粉飾決算の疑いが発覚したことで資金調達や新規受注が難航したことから資金繰りが急激に悪化。7月に登記面本店を沖縄に移転させ、同県での新規顧客開拓なども行っていたものの、ここに来て先行きの見通しが立たなくなったことから今回の事態となった。関係会社のLSMインターナショナルも同様の事態となった。

 負債は2社合計で約32億円が見込まれるものの流動的。

神戸製鋼所、子会社がJIS認証の取り消し(東京商工リサーチ)

 データ偽装が相次ぐ(株)神戸製鋼所(TSR企業コード:660018152、兵庫県、東証1部)は10月26日、都内で記者会見を開いた。会見には報道関係者100名以上が出席。配布資料が間に合わず、開始予定時間に5分ほど遅れた15時5分に始まった。

◇子会社がJIS認証の取り消し
 会見には、川崎博也代表取締役会長兼社長ら経営幹部3名が出席した。川崎会長兼社長は会見の冒頭、一連の問題を謝罪した。
 会見で川崎会長兼社長は、26日付で子会社の(株)コベルコマテリアル銅管(TSR企業コード:296142646、東京都)の一部製品がJIS(日本工業規格)認証の取り消し通知を一般社団法人日本品質保証機構(JQA)から受けたことを報告した。神戸製鋼所はこれまで法令違反はないとの立場をとっていた。
 コベルコマテリアル銅管の秦野工場(神奈川県)は、銅及び銅合金の継目無管で引張強度などの書き換えを行っていた。大半の書き換えはJIS規格の範囲内だったが、JQAは品質マネジメントの不備を重視した。また、数件でJIS規格外品のデータを書き換え規格品として出荷していたケースもあった。

◇新たなデータ偽装の発覚
 会見では、新たな偽装も公表された。神戸製鋼所機械事業部門コーティングサービスは、測定機械の変更に伴う測定値の差異を書き換えていた。また、神鋼造機(株)(TSR企業コード:471005967、岐阜県)は、鋳物製品の検査データをねつ造し、減速機で寸法の測定作業を間引いていた。
 さらに、(株)コベルコ科研(TSR企業コード:660345820、兵庫県)のターゲット事業本部は、サンプル品の分析結果を書き換えていた。この他にも、偽装行為の有無について確認が必要な事案が1件発生したという。これは海外事業会社の建築用途の製品としているが、具体的な会社名や出荷重量などは明らかにしなかった。

◇データ偽装品の安全性確認の進捗状況
 JIS認証の取り消しと新たなデータ偽装に合わせ、これまで公表した偽装事案の安全性確認の進捗状況が報告された。偽装製品の出荷先数は延べ525社で、このうち437社で安全が確認されたという(表参照)。ただ、出荷先が安全と確認した(当面は問題ないとの判断含む)のは320社で、117社は神戸製鋼所が「安全確度が高いと判断」したもの。   
 88社は安全確認が現時点で取れていない。川崎会長兼社長は「88社のうち海外企業は26社」と述べ、海外企業での検証が進んでいないことを明らかにした。関係筋によると、偽装品の出荷先525社のうち、海外企業は200社という。また、安全性が確認された437社のうち、海外企業は174社としている。
 今回のデータ偽装に関する海外企業の態度はあまり明らかになっていない。今後、海外企業から損害賠償や検証費用負担を求められる可能性もあり、出荷先の海外企業の出方も焦点になりそうだ。

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〔決算〕極東証券、9月中間は減収減益=タカタ債の損失響く – 時事通信

 =2017年9月中間連結決算は、減収減益。民事再生法の適用を申請したの社債保有に伴う損失計上が響き、主力の債券トレーディングが前年同期比66.3%減と大幅に減少した。好況相場を反映し、株式などの委託手数料や投信の販売手数料は増加した。(2017/10/27-12:51)

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東京モーターショーに見た「踊り場」感 – Yahoo!ニュース 個人

 なにやら「もどかしい」。東京モーターショー(2017年10月27日~11月5日、東京ビッグサイト)をざっと概観した感想である。

 もちろん注目度は高い。驚いたのは、海外メディア、海外からの観覧者の多さだ。欧米メディアもけっこういたし、イスラム圏から取材ツアーを組んでやってきた集団もいれば、かなり目立つように中国メディアも自由に取材していた。

待たれるイノベーションとブレークスルー

 だが、北京や上海、広州でモーターショーが開かれ、タイやインドネシア、インドなどのモーターショーも話題になった。世界5大モーターショーの一つである東京モーターショーの相対的な地位も低下しつつある。

 自動車産業は、ここにきて大きな転換点を迎えている。自動運転とAI(人工知能)、脱レシプロとEV化(次世代駆動)が技術的な課題になるのだろう。会場でも各社、それぞれにコンセプトを打ち出し、一見すればシノギを削っているように見える。

 だが、どちらも画期的なイノベーション、ブレークスルーがないまま、飽和状態を迎えているのも事実だ。シンギュラリティなどと言われていてもAIはまだ汎用性を持てず自動運転も限定的な技術だし、EVに至ってはバッテリーの技術的限界を超えられず、実用巡航距離はなかなか伸びない。

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矢崎総業の「EEDDS」展示。電力や通信、ドライバーへの情報伝達のシステム(レクサス用)。アナログな技術だが、このコードを延ばすと総延長4km弱という。無線にできないのかと質問したところ、技術開発はすでに行っていて可能だが行政から許可が出ないらしい。

 そうした技術的な踊り場で、今の自動車産業はもがいている。次のワンステップ上へ、という意味で今回の東京モーターショーは「BEYOND THE MOTOR」というテーマをつけたのだろう。それは何やら見果てぬ夢を追いかける願望のあらわれ、とも受け取れる。

 例えば、トヨタは「Concept-愛i」と銘打ったラインナップを中心に展示していたが、「人に優しい」クルマとか「人を理解する」クルマとかいうイメージのようだ。米国カリフォルニアのサンフランシスコを例にとり、ドライブコース中の運転者の状態をモニターさせていた。運転者の「声・ボディランゲージ・表情」をクルマが感知し、眠そうだったら冷風を送ったりシートを締め付けたりする。

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TOYOTA Concept-愛iシリーズのモニター画面。下の棒グラフが運転者の「ハッピー」な状況を表す。「人を理解する」AI技術と自動運転を統合し、運転者のサポートをするというコンセプト。車いす向け小型モビリティなど少子高齢化社会を見すえる。

 また、驚いた地点を記録するなど、多くの運転者のデータを集約して危険地点の情報として提供することもするようだ。運転者の心情や感情、体調などを「理解」し、自動運転技術と組み合わせて運転者のサポートをする、というわけだが、日本での公道実証実験は2020年頃を目処と、もどかしい。

 ホンダも今ひとつ懐古趣味から抜け出せない。EVや自動運転をスポーツタイプのクルマやバイクに、というコンセプトだが、展示はどこか60年代を彷彿とさせる懐かしさだ。これはスーパーカブやモンキーのせいばかりではない。

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Honda Sports EV Concept。スポーツカーにEVとAIを搭載。人とクルマの一体感と「操る喜び」の実現を目指したコンセプトモデル。デザインはどこか懐かしい。

モラルハザードを乗り越えろ

 さらに、日本の製造業全般に言えることだが、いわゆる「モラルハザード」の問題は根深い。自動車メーカーで言えば、三菱、日産、スバルと検査で不正が発覚し、エアバッグやシートベルトのタカタは民事再生法を申請した。

 技術的な飽和点を迎える中、環境技術にせよ安全技術にせよ、社会から自動車産業へ求められる要請は強まるばかりだ。新興国での競合も激しさを増す中、技術開発になかなか経営資源を投入できないのだろう。

 これは日本の自動車メーカーに限らず、フォルクスワーゲンなどにも共通するが、モラルハザードはこうした背景から生まれている。自動車産業は「もどかしさ」から脱出し、新たなステップへ「BEYOND」することができるのだろうか。

店舗「ママイクコ」を全国展開する生活雑貨品卸小売の(株)システムジュウヨンが民事再生申請(東京商工リサーチ)

 (株)システムジュウヨン(TSR企業コード:570665833、法人番号:8120001064941、大阪市北区天神橋3-7-9、設立昭和59年12月、資本金3000万円、石田勝彦社長、従業員131名)は10月27日、大阪地裁へ民事再生法の適用を申請し同日、監督命令を受けた。申請代理人は中紀人弁護士(金子・中・橋本法律特許事務所、同市北区西天満4-3-25、電話06-6364-6411)ほか3名。監督委員には野上昌樹弁護士(弁護士法人大江橋法律事務所、同市北区中之島2-3-18、電話06-6208-1500)が選任された。
 負債総額は約33億円。

 昭和39年6月創業の老舗の生活雑貨小売業者。当初は家庭用家具業であったが、平成に入ってからは衣料品をはじめ寝具、バスグッズ、キッチン用品などの家庭用雑貨の取扱をメインとしてきた。ハイセンスなパリ市民の生活を手本とし「合理的かつ楽しいライフスタイル」を提案する「ママイクコ」ブランド(店舗名)を中心に、北海道から沖縄までの全国の大型ショッピングモールなどにフランチャイズを含めて162店舗を運営。積極的な店舗展開が奏功して業容は順調に拡大路線を辿り、平成20年8月期には売上高約75億3600万円を計上していた。リーマン・ショック以降は消費低迷のほか、デフレの影響もあり店舗拡充にも関わらず業績は頭打ちとなり、28年8月期の売上高は約68億6000万円にとどまり、1億5051万円の赤字となった。
 積極的な店舗展開に伴い借入金への依存が高く、資金繰り緩和のために金融機関から返済猶予措置を含む支援を受けるなどしていた。しかし、バンクミーティングで実質的に大幅な債務超過となっていることが判明し、金融機関から支援継続にあたって厳しい目が注がれていた。28年11月以降は代表者の自宅不動産を適宜担保に提供し毎月の資金繰りを維持してきたほか、再建策として赤字店舗の閉鎖や役員報酬の削減などを示していたが、ここにきて追加の資金調達が困難となり、事業継続の見通しが立たなくなったことから今回の措置となった。

東京商工リサーチ

業歴90年以上の住宅設備機器販売会社が破産、後継者難もあり事業は他社へ譲渡(東京商工リサーチ)

 岩崎建商(株)(TSR企業コード:350013055、法人番号:3020001025322、横浜市保土ヶ谷区今井町460、設立昭和27年7月、資本金7200万円、岩崎慎二社長)は10月13日、横浜地裁より破産開始決定を受けた。破産管財人には増田尚弁護士(多摩川法律事務所、川崎市幸区堀川町580、電話044-540-1521)が選任された。
 負債総額は3億9627万円(平成28年12月期決算時点)。
 大正13年に創業した住宅設備機器の販売業者。長年にわたり地域密着型営業を展開し、地元の建設業者や二次問屋などを顧客対象として、平成3年12月期にはピークとなる売上高40億8399万円をあげた。
 しかし、その後は同業他社との競争激化などに伴い減収で推移。このため、事業所の閉鎖や関連会社の活動休止、本社不動産の売却など、各種リストラを実施したものの抜本的な改善には至らず、不安定な業績推移が続いていた。
 22年12月期には売上高が10億円を割り込み、28年12月期の売上高は6億9818万円に減少。以降も業績不振から抜け出せず、代表者の健康状態悪化や後継者難を抱えていたことから、29年10月に県外同業者へ営業譲渡したうえで、今回の措置となった。

東京商工リサーチ

雑貨店「ママイクコ」の運営会社、民事再生法の適用申請 – 朝日新聞

 全国で雑貨店「MAMAIKUKO(ママイクコ)」を展開するシステムジュウヨン(大阪市)が27日、大阪地裁に民事再生法の適用を申請した。帝国データバンク大阪支社によると、負債額は約35億円。ママイクコは全国に156店舗あり、営業を続けながら、事業の引受先を探すという。

 システムジュウヨンは1964年創業。大型商業施設を中心にママイクコを出店し、売上高はピークだった08年8月期で約75億円だった。100円ショップやほかの雑貨店に対抗するため、出店を増やしたが、その費用が経営を圧迫し、16年8月期には純損益で1億5千万円の赤字となっていた。

雑貨店「ママイクコ」など全国展開するシステムジュウヨン、民事再生法の適用を申請(帝国データバンク)

 (株)システムジュウヨン(TDB企業コード:580974875、資本金3000万円、大阪市北区天神橋3-7-9、代表石田勝彦氏、従業員136名)は、10月27日に大阪地裁へ民事再生法の適用を申請した。

 申請代理人は橋本芳則弁護士(大阪市北区西天満4-3-25 梅田プラザビル別館9階、金子・中・橋本法律特許事務所、電話06-6364-6411)と、幸長裕美弁護士(大阪市北区西天満4-4-13 三共ビル梅新8階、共立法律事務所、電話06-6365-9445)。

 当社は、1964年(昭和39年)6月創業、84年(昭和59年)12月に法人改組。雑貨店「ママイクコ」での雑貨小売事業を主体に、FC店向けの日用雑貨の卸売を手掛けていた。主力事業である雑貨店運営では、「ママイクコ」(156店舗)、「ジュ・マ・モア」(3店舗)などを北海道から沖縄まで全国展開しており、大半の店舗が大型商業施設内に立地していた。学生・主婦層を主要ターゲットとして、取扱品はシャツ・アクセサリーなどの衣料雑貨(50%)、収納家具・キッチン用品などの住宅雑貨(30%)、食料品ほか(20%)で「お母さんの目で、着る、食べる、くつろぐ生活を集めている生活雑貨のお店」をコンセプトに、主婦層をはじめとした女性を中心に高い認知度と支持を獲得、2008年8月期は年売上高約75億3600万円を計上していた。

 その後も積極的に店舗の開設を行っていたものの、100円均一ショップや同業他社との競争激化や顧客の低価格志向に伴い、店舗の集客力は低下したことで売上げは伸び悩み、2016年8月期には年売上高約68億6000万円にまでダウン。積極的な出店に伴う費用を借入金で賄ってきたことで金融債務は膨張し、不採算店舗も増加したことから同期は約1億5000万円の当期純損失を計上していた。このため、経費削減を図るとともに2017年3月には金融機関へリスケを要請し資金繰りの改善に努めていた。このリスケ要請に伴う資産査定において8億円以上の債務超過に転落。その後は、赤字店舗の閉鎖などリストラを行っていたものの思うように進まず、収益が改善しなかったことから、ここに来て先行きの見通しが立たず、民事再生法による再建を目指すこととなった。

 負債は約35億円。

飲食店専門税理士が指南 黒字倒産しないための飲食店経営のオキテ ~クラウド経営① 編 ~ – KaikeiZine

飲食店は店舗数が増えれば増えるほど、場所が離れているので、管理しにくくなるという特徴があります。今回は、経営管理で失敗した事例を参考にクラウドを活用した経営管理のポイントを紹介します。

店舗が増えると目が行き届かなくなる?

都内と那須でカフェを2店舗経営しているIさんは、2週間ごとに都内と那須を往復してなんとか店舗の営業状況を把握していました。各店舗の店長から毎日、営業日報をメールにて送るルールにしているものの、送られて来ない日があったり、日報の記載が間違っていたりして、店舗の営業状況が分からず悩んでいました。

飲食店の経営管理を行う上で一番ネックになるのは店舗ビジネスであるということです。つまり、店舗数が増えれば増えるほど、場所が離れているので、管理しにくくなるという特徴があります。とくに3店舗以上になると経営者の目が行き届かなくなるといわれています。従来からの人が行うメール、ファックス、電話などの報告では漏れやミス、タイミングが遅い、商品ごとの出数などの詳細な情報までは分からない等の欠点があり、飲食店の経営管理が難しい大きな要因となっていました。

飲食店の「ブラックボックス」を破るクラウド経営

その後Iさんは、各店舗にクラウドPOSレジを導入しました。これにより、離れた場所にいてもスマートフォンやi-padからリアルタイムで各店舗の営業状況を売上金額だけでなく、注文内容まで把握することができるようになりました。

クラウドによるテクノロジーを使えば、離れた場所にいてもデータはクラウド上にあるため、リアルタイムで全員が同じ情報を共有することが可能となります。そのため、今まで店長が報告していた営業情報や報告できていなかった商品ごとの出数などの詳細情報までお店のデータをリアルタイムで社長が共有できるようになり、離れていてもお店の営業情報をいつでも把握することができます。さらにクラウドPOSレジは従来のPOSレジよりもメニュー設定などが簡単であるため、売上と粗利によるクロスABC分析を行うことで、商品戦略を見直すことに活用できます。

<クロスABC分析による商品戦略>
① 売上が高く、粗利も高い商品・・・ドル箱の商品  → 看板商品として目立たせ、
更に売る
② 売上は高いが、粗利が低い商品・・・利益貢献度の低い商品 → 集客商品として残す、
単価を上げる、原価を下げる
③ 売上は低いが、粗利が高い商品・・育てるべき商品 → メニューブック等で目立たせ
もっと売る
④ 売上は低く、粗利も低い商品・・・死に筋の商品 → メニューから削る、内容を見直す

またクラウドPOSレジの他にも「トレタ」などの予約台帳を導入することで、他店舗の予約状況もリアルタイムで把握できるため、自店舗の予約が埋まっている場合も、その場で他店舗の予約状況を確認し、他店舗へ誘導することができ売上アップに繋げることが可能になります。ドミナントで出店している場合にはとくに有効です。

飲食店の経営管理を変えるクラウド経営!クラウドを活用することで店舗ビジネスの宿命とも呼べる『場所の壁』を破り、どこでもリアルタイムの情報共有を実現し、店舗が増えても経営者の目が行き届くようになります。

Credo税理士法人代表/税理士・経営コンサルタント

富山県出身で醤油屋の次男として誕生。慶應義塾大学商学部卒業後、税理士法人山田&パートナーズ、アビームコンサルティング(株)、OAG税理士法人/㈱OAGコンサルティングを経てCredo税理士法人/Credoコンサルティング事務所を設立。飲食店を専門に開業支援や多店舗展開支援を年間50件以上実施するなど、財務戦略に基づいた飲食店の繁盛店の仕組みづくりに強みを持つ。

■Credo税理士法人
http://credo-tax.com