【ハイセンス】中国のテレビ最大手が東芝のテレビ事業を買収 – M&A Online



中国企業のM&A戦略を紹介するシリーズ。今回は、ハイセンスグループ(海信集団)を取り上げる。2017年、ハイセンスグループは、東芝の映像事業を買収すると発表した。

2018年2月、ハイセンスグループ傘下の海信電器と東芝は、東芝の子会社である東芝映像ソリューションの発行済み株式の95%をハイセンスへ譲渡した。これにより、ハイセンスは東芝テレビの商品・ブランド・運営サービスなどの業務と東芝テレビのグローバルブランドライセンスを40年間得ることとなった。譲渡額は約129億円とされる。

「ハイセンス(海信)」というブランド

「ハイセンス」あるいは「海信」というブランドをご存じだろうか。日本ではあまり知られていない「ハイセンス」というブランドだが、中国においてはハイアール(海爾)などと並んで、大変にメジャーな家電メーカーである。

中国の賃貸マンション・アパートの多くは家具付きであり、エアコンはもちろんのこと、テレビ、冷蔵庫、洗濯機なども入居したときから備え付けのものがある場合がほとんどだ。筆者は2015年まで中国に在住していたが、中流マンション・アパートの備え付けの家電は、ハイアールや韓国LGなどと並んで、ハイセンスのものが多かった。

中国のテレビ市場で13年連続トップを維持

ハイセンスは1969年、山東省青島市で、前身である工場を立ち上げた。当初は10人ほどで、トランジスタラジオを製造していた。その後、1970年代に入ると、ブラウン管テレビの製造を始め、テレビの製造工場を持つようになる。

90年代に入るとテレビの他にも、エアコン、洗濯機、冷蔵庫などの白物家電、携帯電話などの家電を製造するようになる。2016年、ハイセンスの中国におけるテレビ市場のシェアは13年連続No.1を達成した。

世界では第3位のテレビメーカー、ハイセンスのグローバル戦略

ハイセンスは、近年、ヨーロッパやアメリカ市場でも急速に成長しており、南アフリカとオーストラリアでもテレビの販売は1位となっている。2015年、2016年のテレビ販売台数で世界第3位となった。

一般に、中国家電メーカーの海外でのブランド樹立は困難である。グローバル大手との激しい競争が待っているし、各国の消費者が持つ固定的なブランドの認識を改める必要もある。そのため、グローバル戦略においては、自主ブランド育成と同時に、競業他社である国際ブランドの買収も現実的な選択肢となりえる。今回の東芝映像事業の買収は、まさにそのような状況であったといえるだろう。

REGZA」を主軸とする東芝の映像事業

東芝の映像事業は薄型テレビの「REGZA(レグザ)」を主軸としている。「REGZA」は、ハードディスクやネットワークと連携し、テレビの映像を簡単に録画できる液晶テレビである。しかし、ここ数年は海外メーカーとの激しい価格競争が続いており、映像事業を抜本的に見直した。

今後は画質や録画機能に関して高い評価と安定したシェアを持つ国内市場に注力し、4Kテレビを中心とした高画質モデルの自社開発・販売を継続していくことにしている。2016年から東芝は、映像事業を東芝映像ソリューションに移管している。株式譲渡後も東芝映像ソリューションは東芝・REGZAブランド映像商品の自社開発・販売・修理を継続し、今まで以上に強化していく方針であると伝えられている。

ハイセンスグループの今後

ハイセンスグループ総裁の劉洪新氏は、東芝買収後、ハイセンスは双方の研究開発、サプライチェーンとグローバルルートの資源を統合し、市場規模を早急に向上させ、グローバル化を加速させると述べている。

グローバル化を加速する戦略の一環として、2015年に北米市場でシャープブランドの供与を受けている。また、2018年のサッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会のスポンサーとなり、グローバル戦略を推し進めていくとみられている。今後も世界におけるハイセンスグループに要注目だ。

文:M&A Online編集部





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