ヒューマンAが上場 メンタルヘルス事業、きめ細かさで勝負 – 日本経済新聞



 人材紹介のヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス(ヒューマンA)が10日、東証マザーズに上場した。上場で調達した資金は、拠点の拡大や求職者向けのウェブサイト拡充に充てる。なかでも大企業が外部委託を進めるメンタルヘルスケア事業は成長市場とあって、M&A(合併・買収)も視野に一層の拡大を目指す。

 「こころの不調者の発生予防から復職後の再発防止まで、スキルの高いカウンセラーがワンストップでフォローできることが強み」。東証で記者会見した渡部昭彦社長は同社の特徴をこう説明した。

 同社のメンタルヘルス事業のサービスを導入する企業は約480社。メインのユーザーは従業員500人以上の大企業で、毎年20社ほど増えている。

 同事業を大きな柱に据える背景には法改正がある。2015年12月に労働安全衛生法が改正され、労働者50人以上の事業所に対してストレスチェックが義務化された。

 市場規模が拡大する一方で、業務が企業内で内製化されていたり、産業カウンセラーや臨床心理士などの知見が必要な専門性の高い分野だったりすることから、「参入障壁は比較的高い」(子会社ヒューマン・フロンティアの神沢裕社長)という。

 調査会社シード・プランニング(東京・文京)によると、EAP(従業員支援プログラム)やストレスチェック領域の市場規模は20年に217億円を予測。4年間で3割増える見込みだ。

 かつては市場が年2桁の成長を続けた主力の人材紹介事業は、今後1桁成長に鈍化する見通し。そのなかでも人工知能(AI)やビッグデータを活用した「HRテック」が注目を集め、競争は激しくなっている。ただ、「データは重要だが、当社の強みは(求職者の人間性など)目に見えない情報を引き出せることだ」と渡部社長は話す。

 この分野での強みも、やはり専門性の高い人材を核としたきめの細かい対応力だ。同社に所属するコンサルタントは、人材ビジネスだけでなく、金融や製造業など他業種で豊富な経験を積んだベテランが多い。経営層やミドルマネジメント層、外資系企業が求める専門人材を手掛け、ユーザーとなる求職者の平均年収も700万から1200万円程度と高水準だ。

 上場初日は買い気配のまま取引が成立しなかった。気配値は東証が定める同日の上限となる公募・売り出し価格(公開価格、1170円)の2.3倍の2691円まで上昇しており、投資家の期待がうかがえる。知見あるコンサルタントのノウハウを武器に、今後の成長戦略を描く。(松本千恵)





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