日立電鉄、みちのり傘下 バス事業 再出発 – 茨城新聞



2017年12月31日(日)

日立電鉄、みちのり傘下 バス事業 再出発

市、利用増へ路線再編計画

JR日立駅中央口前のバスロータリーを頻繁に出入りする日立電鉄交通サービスの路線バス=日立市幸町
JR日立駅中央口前のバスロータリーを頻繁に出入りする日立電鉄交通サービスの路線バス=日立市幸町

日立市を中心とする県北地域の公共交通を支える日立電鉄交通サービスが今月、みちのりホールディングスの傘下に入り、新たなスタートを切った。みちのりは県内の茨城交通や栃木、福島各県をエリアとするバス会社などを保有し、ネットワーク化や各社の良さを共有しながら相乗効果を狙う。市は高齢者などの移動手段確保を見据え、路線バスの再編実施計画策定を急ぐ。 (日立支社・川崎勉)

■突然の譲渡発表

日立市のJR日立駅中央口前のバスロータリー。日立電鉄のバスが途切れることなく、出入りを繰り返す。日立電鉄は市内で約140のバス路線を持つほか、常陸太田市との間を結ぶ路線なども走らせる。

10月27日、日立電鉄の全株式を日立製作所がみちのりに譲渡すると、両社が発表した。「いずれはと思っていたし、相手はみちのりしかないと考えていたが、この時期とは驚いた」。突然の発表に、市幹部は困惑を隠さなかった。みちのりの松本準社長が小川春樹市長を来訪したのは11月10日。この時が初めての面会だった。

日立側とみちのり側が協議を始めたのは6月だ。日立は経営悪化が理由ではないと強調。「交通事業の維持発展には専門の事業者に任せた方がいい」(グループ会社室)との判断によると説明する。みちのりは雇用と路線維持を打ち出す。

路線バスを巡る環境は厳しい。マイカー通勤の増加や人口減少、少子化に伴う生徒数減少が背景にあり、打開策は見いだせない。

ここ数年、市内の路線バス利用者数は年間350〜380万人で下げ止まっているものの、1992年度は2150万人で、四半世紀の間に8割以上も減少した。

市が懸念するのは、利用者数が低迷する路線が廃止に追い込まれ、高齢者や障害者、高校生などの移動手段が途絶することだ。市は「車を運転しなければバスが一番乗りやすい。バスはなくせない」(都市政策課)と危機感を抱く。

市は現在、日立電鉄の約40路線について、日中4往復の赤字分約2500万円を含めた年間約4000万円を補助している。

■立て直しに自信

みちのりはバス事業立て直しに自信を見せる。

「リスクがないということは利益もない。リスクを超えて、地域公共交通を再活性化できる」。松本社長は言い切る。車の運転が難しくなる高齢者の増加は路線バスへのニーズを高めるとの見立てだ。

みちのりの最大の強みは、隣接エリアの茨城交通をはじめ、栃木県の東野交通と関東自動車、福島県の福島交通と会津バスなどを傘下に持つことだ。グループ内では、福島交通が新路線を整備する際に実施していた細かな人口分布に基づく検討を、茨城交通でも取り入れて黒字化したケースがあった。

今月19日に行われた日立電鉄の非常時対応訓練に、茨城交通の担当者2人が視察に訪れた。茨城交通社長も兼ねる日立電鉄の任田正史社長は「それぞれの良いところを取り入れ、グループ内で刺激し合いながら高めていく」。

市は本年度、地域公共交通再編実施計画の策定を進める。路線バスについては、高速バス輸送システム「ひたちBRT」がJR常陸多賀駅まで延伸して2019年3月に第2期の本格運行を始める計画を踏まえ、43路線を再編する青写真を描く。

朝夕は通勤通学客を重視してJRの駅や大規模事業所を結び、日中は病院やスーパーを通るルートを中心にするなどして、「一人でも多くに利用してもらえるようにする」(都市政策課)考えだ。





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