LVMHがスタートアップ支援プログラム「ラ・メゾン・デ・スタートアップ」を本格始動 – WWD JAPAN.com



 LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON 以下、LVMH)は、2017年11月に発表したスタートアップ支援プログラム「ラ・メゾン・デ・スタートアップ(LA MAISON DES STARTUPS)」を本格的にスタートした。

 イアン・ロジャーズ(Ian Rogers)LVMHチーフ・デジタル・オフィサーは、「急激に増えるスタートアップを1カ所に集め、最も優れた企業との関係を築くためだ」とプログラム立ち上げの狙いを話す。LVMHは6カ月間のプログラムを1年間で2セット開催し、合わせて50のスタートアップ企業を誘致する。選ばれたスタートアップ企業はすでにLVMHの傘下ブランドと話し合いに入っており、中には具体的なプロジェクトに発展している企業もあるという。

 選ばれた企業の半数以上は17年の「LVMHイノベーション・アワード(LVMH INNOVATION AWARD)」に参加した企業だ。デジタルサイネージを提案するヴィジオピーエム(VISIOPM)、商品ディスプレイ用の“デジタルスキン”を開発し、すでに「ゲラン(GUERLAIN)」や「ベルルッティ(BERLUTI)」と協働しているスマートピクセルズ(SMARTPIXELS)、スマートフォンで撮影した写真から詳細を分析して偽物を見分けるサイフィーム(CYPHEME)などが選ばれている。さらには、LVMHが従業員向けに開催した起業家マインドを育てるプログラム“DARE LVMH”の優勝者も参加を認められており、その中の1人はLVMHの新ブランドの立ち上げに携わる人物だという。

 支援プログラムの拠点となるのは、パリ13区にあるスタートアップキャンパスのステーションFだ。構造エンジニアだったウジェーヌ・フレシネ(Eugene Freyssinet)が1920年代にデザインした建物をリノベーションしたものだ。89のワークステーションや8つのイベントスペース、24のテーマに分かれたラウンジ、60以上の会議室などが用意されている。なお、ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼最高経営責任者(CEO)の娘、デルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)=ルイ・ヴィトン エグゼクティブ・バイス・プレジデントのパートナー、グザヴィエ・ニール(Xavier Niel)がステーションFの創設者だ。

 アルノー会長兼CEOは、「この場所は素晴らしい。LVMHの本部をここに移すべきではないかと思うくらいだ。ここで作業すれば物事がよりスムーズに動くし、コストも抑えられる。これこそがスタートアップ精神だ」とコメントした。また、「当社のブランドの多くはゼロからのスタートだった。1947年に誕生した『クリスチャン ディオール(CHRISTIAN DIOR)』は、第1アシスタントだったピエール・カルダン(Pierre Cardin)にミシンを買いに行かせるところから始まった」と、LVMHのスタートアップ精神についても触れた。最近では歌手のリアーナ(Rihanna)が17年9月にLVMHとパートナーシップを結んでビューティブランドを立ち上げた。

 一方で、テクノロジー企業を傘下に置く予定はないとアルノー会長兼CEOは言う。「当社はテクノロジーを駆使するが、テック企業ではない。火と水を混ぜることができないように、テクノロジー企業は専門外だ」。





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