魔法解けた「かぼちゃの馬車」のカラクリ – 東スポWeb



 首都圏で女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営するスマートデイズが9日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し受理されたと発表した。負債総額は約66億円。路頭に迷うのは約700人いるシェアハウスのオーナーたちだ。億単位の負債を抱え、自己破産者が続出する可能性も…。一方で、破綻することが分かっていながら出資者に多額の融資をしたスルガ銀行も責任を問われそうだ。今年に入り、担当行員が逃げるように退社していたことも判明した――。

 スマートデイズは約4年前から「かぼちゃの馬車」のブランド名で投資用の女性専用シェアハウスを販売。物件を購入した場合、同社がオーナーの代わりに入居者から家賃を集め、保証した賃借料をオーナーに毎月支払うという仕組みで、業績を急拡大させた。

 うたい文句は「30年間の家賃保証」。飛びついたのは老後の蓄えを期待するサラリーマンやOLだった。その数、約700人にも上る。だがシェアハウスの入居率は4割前後だったという。

 事態が暗転したのは昨年10月。スルガ銀行がオーナーへの融資をストップし、スマート社の物件販売も振るわなくなった。そこからドミノ倒しでオーナーへの家賃支払いが滞り、今年1月に支払いが打ち切られた。事実上の破綻だ。

 この日、民事再生法の申請が受理された同社は「多大なご迷惑をお掛けいたしますことを、心よりおわび申し上げます」とコメント。さらに「弊社の資金繰りに鑑みますと、入居者さま居住物件における水道、電気、ガス、インターネットなどの生活インフラの確保が困難となる恐れがございます」と入居者にやんわり“引っ越し”を促した。引っ越し費用は誰が持つのか…。入居者にとっても、いい迷惑だ。

 そして最大の被害者は全国約700人のオーナーたちだ。民事再生手続きはあくまで「裁判所が関与して事業の再生を図るもの」ではあるが、未払いの賃料が全額戻ってきたり、借金がチャラになることはない。関係者によれば「被害総額は1000億円に上るという試算も出ている。オーナーには巨額ローンだけが残り『生きていけない』という声が相次いでいる。自己破産者は続出するだろう」と語る。

 同社のスキームはそもそも詐欺まがい。建物の初期費用は大半が1億円以上。一般のサラリーマンでは手が出ない金額だが、同社は銀行の審査を通すために融資書類の口座残高などを“改ざん”。これを受け、地方銀行の「スルガ銀行」が異例の融資を連発していた。

「スルガ銀行もスルガ銀行で、数十万円の貯蓄しかない人に、1億円の融資をしていた。書類の改ざんがあったとしても、別口で身辺調査するはずで、普通に考えてありえない。オーナーからはハナからスマート社と『グルでは?』という声も上がっている」(同)

 スルガ銀行は静岡県沼津市に本店を置き、地元ではイケイケで知られる。地元関係者によると「静岡には融資が辛いことから静岡銀行は“渋ギン”と呼ばれるが、スルガは真逆。個人向けの住宅ローンで業績を伸ばしていて、他行で“危ない”と評価された人にもバシバシ貸している」と話す。

 金融庁は先月中旬、スルガ銀行に対し、銀行法に基づく報告徴求命令を発動。どのような取引がなされたのかを詳細に聞くためのものだが、一連のスマートデイズ案件を担当していた行員は今年2月に退職しているという。

 2次被害も報告されている。先月27日、物件のオーナー13人が同社などに計2億円の損害賠償を求める訴えを起こしているが、SNS空間では便乗商法も目につく。法曹関係者の話。

「被害オーナーに『相談に乗ります』と持ちかけ、高額な弁護士費用や相談料を詐取しようとする業者がいます。“弱っている”人に目をつけ、ぼったくるのがこの手の業者。相談するなら、まずは国がやっている窓口にするべきです」

 スマートデイズは12、14日に都内でオーナー向けの説明会を行う予定。怒号が飛び交う大荒れの展開になりそうだ。





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