拘束のサウジ王子、アップルなどに投資 株価に影響も – 日本経済新聞



 サウジアラビア政府が打ち出した反汚職政策の一環で、多数の王族や現役閣僚が拘束されたが、その中にアルワリード・ビン・タラール王子が含まれていたことが世界の株式市場で思惑を呼んでいる。同王子はサウジの巨大投資会社「キングダム・ホールディング・カンパニー」のオーナーで、米ツイッターや米アップルに投資する著名投資家だからだ。キングダム社の経営形態がどう変化するか、6日時点では判明していないが、今後の動向次第では「アルワリード銘柄」の株価に影響が出る可能性がある。

拘束されたサウジのアルワリード王子=ロイター

■米シティ支援で有名に

 アルワリード王子が世界的投資家として知られるようになったのは、1991年の米金融大手シティバンク(現シティグループ)への出資からだ。当時、シティは不良債権を多く抱え業績不振に陥っており、王子は支援の意味でシティの株式10%を5億9000万ドルで取得した。その後、シティの経営は持ち直し株価は上昇。王子は高いリターンを得て、次の国際投資へとつなげた。

 底値と踏んだ銘柄の株価を大量に買い取り、業績が回復するまで何年も待つ「ボトム・フィッシング」(底引き網)が王子の投資スタイルといわれている。実際、アップルには創業者スティーブ・ジョブズ氏が経営に復帰した翌年の97年に出資。ツイッターにはニューヨーク証券取引所に上場する2年前の11年に出資している。

■投資スタイルが変わる?

 ネット上のキングダム社サイトによると、同社が主要株主の、あるいは主要株主だったとしている投資先企業は以下の通りだ。

 アップル、ツイッター、タイムワーナー(米メディア)、ニューズ・コーポレーション(米メディア)、イーベイ(米電子商取引)、ユーロディズニーS.C.A(パリのディズニーランドの運営会社)、京東商城(中国のネット通販大手、JDドットコムを運営)

 米AOL(現Oath、情報通信)、米モトローラ(現モトローラ・モビリティ及びモトローラ・ソリューションズ、通信機器関連)

 今回のアルワリード王子の拘束は、表向きは汚職追放キャンペーンの一環だが、背景にはサウジの権力継承問題があるとみられる。サルマン国王は6月、甥(おい)で王位継承順位1位だったムハンマド・ビン・ナエフ皇太子を更迭し、息子のムハンマド・ビン・サルマン王子への権限移管を進めている。アルワリード王子は王位継承権を放棄した傍流家の出身だが、現体制が続く場合、拘束が解かれても要職には復帰できない可能性がある。キングダム社の投資スタイルも大きく変化するかもしれない。

(石塚史人)





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