【ハザードマップ】カネ共三友冷蔵/イー・ステート – SankeiBiz



 ■大口取引先の入金滞り決済困難に

 ▼カネ共三友冷蔵 水産加工販売のカネ共三友冷蔵は1月31日、東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。

 同社は地元近海で水揚げされるサケやサンマなど水産物の加工を手掛けていた。1973年の東京営業所開設を皮切りに全国的に販路を拡大し、最盛期の昭和末期には売上高が150億円まで伸びた。しかし200カイリの「排他的経済水域規制」が導入されたことで水揚げが減少して、水産物相場が高騰。また、2015年にはロシアが排他的経済水域内における流し網漁を禁止した影響から地元近海での水揚げが激減、17年3月期の売上高は86億5594万円にまで減少し、1750万円の最終赤字を計上した。

 18年3月期も根室地区での水揚げ減少に歯止めがかからず、状況はさらに悪化。17年9月以降は金融機関に対して借入金返済のリスケジュールを要請した。しかし、今年1月下旬に予定していた大口取引先からの入金が滞り決済が困難となったため、今回の措置となった。

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 ▼イー・ステート イー・ステートは1月19日に大阪地裁から特別清算開始の決定を受けた。

 同社は、日本エスコン(東京都千代田区)の開発事業プロジェクトに伴う特別目的会社の1社として設立され、大型複合開発案件である「福岡春日プロジェクト」の不動産販売および賃貸事業を手掛けていた。同プロジェクトは福岡県春日市と大野城市にまたがる開発総面積四十数ヘクタールにおよぶ新市街地「春日フォレストシティ」を中心とし、商業施設のほか約450戸の住宅を含む大規模なものだった。

 しかし、リーマン・ショックで不動産市況は急速に冷え込み、2009年に親会社の日本エスコンが企業再生ADRを申請するなど業況は厳しさを増した。 そうした中でも、10年12月期に売上高40億9641万円を計上。プロジェクトも16年6月には同区画が完売したが、過去の赤字計上から大幅な債務超過に転落していた。このため資産整理を進め、昨年11月の株主総会で解散を決議していた。

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【会社概要】カネ共三友冷蔵

 ▽本社=北海道根室市

 ▽設立=1966年9月

 ▽資本金=4000万円

 ▽負債額=約35億円

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【会社概要】イー・ステート

 ▽本社=大阪市中央区

 ▽設立=2002年6月

 ▽資本金=1000万円

 ▽負債額=48億1988万円 (2016年12月期決算時点)

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 〈チェックポイント〉

 カネ共三友冷蔵は、根室地区では有数の水産加工業者だったが、水揚げ減少による仕入原価の高騰に苦しんだ。2017年の水産加工業者の倒産件数は前年比2割増加した。人件費も上昇しコストは年々上がる一方だが、販売価格への転嫁は難しい。採算確保がままならず、業界全体に暗い影を落としている。

 イー・ステートはリーマン・ショック時、不動産市況の悪化が直撃した。当社は何とか開発区画の完売にこぎ着け、含み損を整理した。当時、市況悪化で開発計画の頓挫やデベロッパーの倒産も続出した。今では隔世の感があるが、わずか10年前だ。過熱が続く不動産市況が、いつまた反転しないともかぎらない。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)





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