危機を迎えたウィルコム、事業再生ADR手続で立ち直ることができるのか? – 日経トレンディネット



 PHS事業を手がけるウィルコムは事業再生のため、“事業再生ADR手続”の申請をすると発表した。なぜ、ウィルコムは今回の措置を実施するに至ったのだろうか。また既存のPHS事業や正式サービス開始を発表した「WILLCOM CORE XGP」への影響はあるのだろうか。

ウィルコムが事業再生ADR手続を申請

 2009年9月24日、ウィルコムが事業再生ADR手続の申請をするという、衝撃的な発表を行った。発表によると、高速モバイルデータ通信の「WILLCOM CORE XGP」を展開していくに当たり、財務体質の抜本的な改善が不可欠という判断から今回の手続に至ったとのことである。

 事業再生ADRとは、当事者同士で話し合って紛争を解決する私的整理の一種。影響する範囲が当事者のみであることから、民事再生法などの法的整理と比べて取引先への影響が小さく、税制上の特例も受けることもできる。主に過剰債務に陥った大企業に向けたもので、2007年から導入されており、最近では消費者金融のアイフルがこの申請をしたことで話題となった。

 各種報道によると、取引金融機関に対し1000億円の債務元本残高の維持と返済期限の延長を要請しているとのことのようだ。ウィルコムの2009年3月期決算資料を見てみると、純利益で約60億円の黒字を確保しており黒字経営ではあるが、有利子負債総額を見ると、約1285億円と大きな負債を抱えている。これが経営の重荷となっており、さらに今後、新しい規格であるWILLCOM CORE XGPへの設備投資が必要になることなどから、早期に抜本的な再生が必要と、今回の判断に至ったようだ。

 携帯電話業界では、最近でもNECとカシオ・日立が携帯電話端末事業を統合するなど、国内市場の大きな変化によって端末メーカーの再編が進んでいる。だがキャリア側の危機が表面化するというのは、資金難でサービス開始前に破たんしたアイピー・モバイル以来であり、ショッキングな出来事であったことは確かだ。





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