<働き方改革>残業上限 どこで線引き – 読売新聞



 日本の総人口は、現在の1億2700万人から2065年には8800万人に減り、高齢化率は4割近くになる見通しだ。労働力人口も、2050年には3分の2に縮小するとされる。

 安倍首相が「国難」と表現した少子高齢化を克服するには、長時間労働の是正などにより女性や中高年の働き手を増やすとともに、労働生産性を高めていく必要がある。安倍内閣は3月、「働き方改革実行計画」を策定した。具体化に向け、労働基準法改正案などを臨時国会に提出する予定だったが、冒頭解散で先送りになった。

 自民、公明両党は、「年720時間まで」「月最大100時間未満」などの上限規制を法制化する政府方針を踏まえ、長時間労働の是正を主張している。希望の党と立憲民主党も、長時間労働に対する規制を明記した。

 共産、社民両党は、政府方針の「月100時間」が、脳・心臓疾患の労災認定基準に準拠することから、「『過労死ライン』までの長時間労働にお墨付きを与える」などと批判、共産は「残業は月45時間、年360時間まで」の厚生労働相告示を法制化するとし、社民は労働時間延長に「実効性ある上限規制」を設けるとしている。

 政府は、一部の専門職を労働時間などの規制から外す「脱時間給」(高度プロフェッショナル)制度の創設も目指している。働いた時間ではなく、仕事の成果に対して賃金が支払われることで、効率的な働き方を促す狙いがある。解散前は与野党の対決テーマだったが、自公両党は公約で触れていない。

 民進党は同制度を「残業代ゼロ」と批判していたが、同党の前議員が合流した希望や立憲民主の公約にも言及はなかった。共産、社民は「断固反対」としている。

 働き方改革のもう一つの柱が、正規・非正規社員の不合理な待遇差をなくす「同一労働同一賃金」の推進だ。非正社員は2016年に2000万人を超え、全雇用者の約4割を占める。賃金水準は正社員の6割で、欧州の8割程度より低い。政府は将来的に、欧州並みの水準を目指す考えだ。

 与野党は公約で、いずれも同一労働同一賃金の推進を掲げた。日本維新の会が同一労働同一賃金法の制定を掲げたほか、希望は、違う仕事でも「価値」が同じなら同じ賃金とする「同一価値労働同一賃金」により、「女性が働きやすい社会を創る」とした。





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