米、対ロ追加制裁へ アサド氏は「侵略行為」と批判 – 日本経済新聞



 【ニューヨーク=高橋里奈、ワシントン=中村亮】米国のヘイリー国連大使は15日の米CBSテレビのインタビューで、16日にもムニューシン財務長官がロシアへの追加制裁を発表すると明らかにした。ロシアがシリアの化学兵器使用を止めなかったことへの措置だ。

 シリア国営メディアによると、アサド大統領は15日、ダマスカスを訪れたロシア与党議員と会談し「両国は国家主権の尊重に基づく国際法を守るため同じ戦いをしている」と述べ、ロシアとの協力を強化する意向を示した。米英仏による攻撃を「侵略行為」と改めて批判したという。

 これに先立ち、トランプ米大統領は14日、マクロン仏大統領やメイ英首相とシリア情勢に関してそれぞれ電話で協議した。マクロン氏とは「共同作戦が成功し、アサド政権によるさらなる化学兵器攻撃を防ぐには必要だった」との認識で一致。過激派組織「イスラム国」(IS)の壊滅のため、シリア安定に向けた多国間での努力をさらに進めていく必要性を議論した。

 トランプ氏はメイ氏にシリアからの化学兵器の排除に向けた支援に謝意を伝えた。両首脳も「空爆が必要だった」との考えで一致した。

 米政府高官は14日、シリアのアサド政権による化学兵器攻撃で、サリンと塩素ガスが使われたとの認識を示した。アサド政権が化学兵器を相次いで使うのは「軍事面での人員不足を補うためだ」と指摘。化学兵器の使用が止まらない場合には「さらなる行動をする」と述べ、追加での軍事行動に踏み切る考えを示唆した。

 国連安全保障理事会は米英仏によるシリア攻撃を受けて14日、緊急会合を開いた。アサド政権を支援するロシアが提出した攻撃非難決議案を採決したものの、賛成はロシアと中国、ボリビアの3カ国だけで否決された。「化学兵器の使用は許されない」という欧米を中心に攻撃を容認する機運が鮮明となった。

 今週5回目となる緊急会合はロシアと反米路線のボリビアが要請した。ロシアの決議案では化学兵器禁止機関(OPCW)による調査が始まったばかりでの攻撃に「深い懸念を表明」「国連憲章と国際法違反」などと非難した。

 常任理事国として拒否権を持つ米英仏のほか、オランダやポーランドなど8カ国が反対、ペルーやカザフスタンなど4カ国が棄権した。安保理は15カ国で構成されており、圧倒的多数がロシアに同調しなかった。





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