工藤会トップ脱税事件、初公判で無罪主張 福岡地裁 – 日本経済新聞



 暴力団工藤会(本部・北九州市)トップらによる上納金の脱税事件で、所得税法違反罪に問われた同会総裁の野村悟被告(70)ら2人の初公判が31日、福岡地裁(足立勉裁判長)で開かれた。野村被告は罪状認否で「起訴状で私の収入や所得と言われたものは、私のものではありません」と述べ、無罪を主張した。

 野村被告が公の場に姿を見せたのは、2014年9月の逮捕以来、約3年ぶり。公判では上納金の一部が野村被告の個人収入にあたるかが最大の争点となる。

 同会の「金庫番」とされ、野村被告と共謀したとして起訴された同会幹部の山中政吉被告(66)も「(収入は)野村被告のものではなく、工藤会のもの」として起訴内容を否認した。

 検察側は冒頭陳述で、同会が北九州地区の建設業者などから現金で上納金を徴収し、幹部らで分配していたと主張。山中被告が自身や親族名義の複数口座の一部で野村被告の取り分を管理し、10~14年に少なくとも約8億円が入金されたと指摘した。

 一方、弁護側は「私的な金銭と工藤会の金銭とは混同していない」と反論。検察側の指摘する上納金は個人収入にあたらないと主張した。

 野村被告は紺色のスーツ姿で黒縁の眼鏡をかけて入廷。真剣な表情で資料に目を通し、裁判長の問いかけにはっきりした口調で応えるなど落ち着いた様子だった。地裁庁舎では数十人規模の厳重な警備体制が敷かれた。

 工藤会が関与したとされる一連の事件を巡り、野村被告は元漁協組合長射殺事件(1998年)▽看護師刺傷事件(13年)▽歯科医師刺傷事件(14年)などに関わったとして組織犯罪処罰法違反罪などでも起訴された。今回の公判はこれらに先立って審理が進む。

 起訴状によると、野村被告は山中被告と共謀し、10~14年に集められた上納金のうち約8億900万円を個人の収入として得たが申告せず、約3億1900万円を脱税したとしている。





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