トランプ、大企業優遇で対中「決戦」へ【2018:アメリカ】 – BLOGOS



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トップ画像:税制改正法成立を祝うトランプ大統領(左からミッチ・マッコネル上院院内総務、下院議長のポール・ライアン、マイク・ペンス副大統領)2017年12月20日 flickr The White House

岩田太郎(在米ジャーナリスト)

【まとめ】

・税制改革、規制緩和により大企業優遇策を取るトランプ大統領。

・米は国家安全保障戦略で中国非難。多国間貿易は中国利するとして、二国間交渉を推進する。

・トランプ大統領は、大企業を通して再び米国を偉大にし、中国封じ込めに動く。

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筆者は昨年末に出した2017年の予測で、ドナルド・トランプ米大統領(71)が新自由主義的な米資本主義の姿を変えていくと書いた。それは、トランプ氏が「流出した雇用を米国に取り戻す」「自由貿易や多国間貿易の枠組みより、米国の利益を優先する」「米IT大手の寡占状態は独占禁止法違反だ」などポピュリスト的な発言で得た人気をもとに当選したからであった。

トランプ氏が2017年1月20日に就任してからほぼ1年が経つ今、一貫性のある方針がはっきりと姿を現し、トランプ大統領が誰のために、何のために働いているかが見えてきた。

トランプ大統領の政策は、現在も親密な関係にあるスティーブ・バノン元首席戦略官(64)から授けられた大衆受けする言説を駆使して、攻撃すると見せかけたウォール街や大手寡占企業の利益に、実際は奉仕するものだ。この方針は、米企業の独占的優位をさらに強め、台頭する中国の経済的・軍事的な野心を砕こうとする戦略に基づいている。

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▲写真 スティーブン・バノン元主席戦略間 出典:photo by Gage Skidmore

トランプ氏の「代替資本主義」とは、ポピュリズムを駆使して民衆の支持を確保し、投資家・富裕層への権力や富の集中をさらに強化しつつ、衰退する米国の強力なライバルである中国の勢力拡大を抑止するものなのだ。

では、トランプ政権の「代替資本主義」により、2018年の米国と世界はどのように動くのだろうか。

■ 大企業の力で再び米国を偉大に

トランプ氏は2016年の大統領選挙期間中に、競合をつぶして巨大化する小売大手アマゾンを「独占禁止法違反だ」と攻撃した。ところが、8月にアマゾンが生鮮スーパー大手ホールフーズを買収した際には独禁法を持ち出したり反対したりせず、買収を承認して、同社がさらに大きくなることを許している。

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▲写真 ホールフーズ店舗外観 flickr Mike Mozart

またトランプ氏は就任前に、インディアナ州の工場をメキシコに移転することを計画していた米空調大手キャリアを攻撃し、約8億円の補助金と引き換えに1100人の雇用を維持することを約束させた。ところが、実際に雇用が維持されたのは800人に過ぎず、7月にはその内600人超の従業員の解雇が開始された。しかも、補助金を使ったキャリアの投資は従業員の雇用維持ではなく、主にロボットを使った工場自動化に使われた。この「裏切り」を、トランプ政権は非難することをしなかった。

大統領選でウォール街や財界を攻撃することで白人労働者階層の支持を得て当選したトランプ氏だが、2017年後半には、攻撃対象だったウォール街や財界ために法人税率を最高35%から21%に引き下げようと全力を尽くした。その熱意と決意には並々ならぬものがあった。

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▲写真 ウォールストリート NY証券取引所 出典:Wikimedia Commons

こうした努力が今、税制改革成立という形で結実しようとしている。大幅法人減税が発効する2018年には、大企業がさらに大きく強くなる。勢いづくトランプ大統領はさらに2018年に、企業を縛るあらゆる規制を撤廃してゆく方針だ。トランプ氏は12月中旬に、「1960年に2万ページ分あった連邦政府の規制が、2017年には18万5千ページに肥大化した」と批判し、規制を撤廃すれば企業活動、ひいては米経済が活発になるとの見解を示している。

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▲写真 規制撤廃のパフォーマンスをするトランプ大統領 2017年12月14日 出典:The White House

政権はすでに、預金保護を目的とした銀行と証券の分離などの金融規制を撤廃するべく動き始めており、潤沢なキャッシュを持つアマゾンが「アマゾン投資銀行」を設立するかもしれない。アマゾンなど米IT大手は、規制の緩い中国でライバルのアリババなどが金融に進出して大成功を収めていることに焦りを感じており、規制を撤廃して、「指定戦略企業」であるアマゾンなどをさらに大きく強くすることは、トランプ政権の米国の国際競争力の強化という目標にかなう。

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▲写真 アリババCEO ジャック・マー flicker World Economic Forum

こうしてみると、「トランプ対エスタブリッシュメント」「トランプ対財界」の対決の構図は、壮大な自作自演劇に過ぎなかったことが明らかだ。





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